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会社の何を継がせるか、ちょっと語ってみます。 【第3回】

会社の何を継がせるのかについてお話いたします。 

 

「会社を継がせる」とは、 

単に「株式の承継」+「代表者の交代」ではありません。 

 

会社を継がせる=事業承継とは、

文字通り「事業」そのものを「承継」する事であり、 

会社を継がせた後に後継者が安定した経営を行うために、 

社長が培ってきたあらゆる経営資源を承継する事です。 

 

後継者に承継すべき経営資源は多岐に渡りますが、 

・人(経営) 

・資産 

・知的資産 

の3つに大別されます。 

 

■人の承継

 ・経営権 

■資産の承継

 ・株式

 ・事業用資産(設備・不動産等) 

 ・資金(運転資金・借入等) 

■知的資産の承継

 ・経営理念

 ・従業員の技術や技能

 ・ノウハウ

 ・経営者の信用 

 ・取引先との人脈

 ・顧客情報

 ・知的財産権(特許等) 

 ・許認可 等々 

 

円滑に会社を継がせるためには、 

上記の各経営資源を適切に後継者に承継させていく必要があります。 

 

株式の承継も重要な事項ではありますが、 

取り組み全体の中では資産の承継の一部にしか過ぎません。 

 

このように会社を継がせる取り組みは一見大変な作業のように思われますが、 

取り組むべき課題を明確にすれば、日々の会社運営の中で出来ることがあります。 

 

 

(1)人(経営)の承継 

人(経営)の承継とは、後継者への経営権の承継です。 

会社であれば代表取締役の交代、 

個人事業主であれば現社長の廃業、後継者の開業(事業譲渡)となります。 

 

経営権の承継で特に注意が必要な事は、 

中小企業においてはノウハウや取引関係等が社長個人に多く集中していることです。 

 

親族内承継や従業員承継において、後継者候補を選定し、 

経営に必要な能力を身につけさせ、知的資産を含めて受け継いでいくには、 

5年から10年以上の準備期間が必要だとされています。 

 

これらの取り組みに十分な時間を割くためにも、 

後継者候補の選定は出来るだけ早期に開始しておいたほうが良いでしょう。 

 

また近年は、

親族・社内の中から後継者候補を見つけることが困難な中小企業が増加しています。

 

このような場合において、

会社や事業の社外への引継ぎ(M&A等)が、 

事業承継の有力な選択肢の一つとして認識されています。 

 

事業承継の検討に際しては親族内・従業員承継に向けて後継者の選定を行うだけでなく、 

状況によっては、

M&A等による外部の第三者への事業承継の可能性も視野に入れての検討を

進めることによって、

親族・社内の後継者候補が名乗りを上げるきっかけになるかもしれません。 

 

 

(2)資産の承継 

資産の承継とは、事業を行うために必要な資産 

・設備や不動産などの事業用資産 

・債権 

・債務 

・株式会社であれば会社所有の事業用資産を包含する自社株式 

の承継をいいます。 

 

会社であれば、 

会社保有の資産の価値は株式に包含されるので「株式の承継」が基本です。 

 

個人事業主の場合は、

機械設備や不動産等の事業用資産を現社長個人が所有している ことが多いため、

個々の資産を承継する必要があります。 

 

また、株式・事業用資産を贈与・相続により承継する場合、 

資産の状況によっては多額の贈与税相続税が発生することがあります。 

 

後継者に資金力がなければ、

税負担を回避する為に株式・事業用資産を分散して承継し、 

事業承継後の経営の安定が危ぶまれる等の可能性がありますので、 

そのための税負担に配慮した承継方法を検討しなければなりません。 

 

さらに親族内承継においては、

株式・事業用資産以外の個人財産の承継や、 

他の推定相続人との関係も視野に入れる必要があります。 

 

現社長個人の負債や保証関係の整理・承継を行う必要があるなど、 

資産の承継に際して考慮すべきポイントは専門的かつ多岐にわたります。 

そのため、資産の承継に向けた準備に着手する段階で、 

早期に税理士等の専門家に相談することをお勧めいたします。 

 

 

(3)知的資産の承継 

■知的資産とは何か 

 

知的資産とは、 

「従来の貸借対照表上に記載されている資産以外の無形の資産」です。 

 

企業における競争力の源泉である 

・人材

・技術

・技能

・知的財産(特許・ブランドなど) 

組織力

・経営理念

・顧客とのネットワーク 

など、「財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称」です。 

 

どのような規模・状況の会社であっても、

その会社の製品・商品・サービスを選び、 購入してくれるお客様が有る限り、

それぞれの会社にとっての知的資産があります。 

自社の強み・価値の源泉が何かを、社長がきちんと理解しておく事が非常に重要です。 

 

■知的資産の承継のために 

知的資産こそが会社の「強み」・「価値の源泉」であることから、 

知的資産を次の世代に承継することができなければ、

その企業は競争力を失い、 

将来的には事業の継続すら危ぶまれる事態に陥ることも考えられます。 

 

そこで、知的資産の承継に際しては、

自社の強み・価値の源泉がどこにあるのかを 現社長が理解し、

これを後継者にどうやって承継するのかが極めて重要です。 

 

知的資産の承継にあたっては、 

自社が保有する知的資産に気付くこと(知的資産の棚卸し)から始め、 

その「見える化」を行うことが大切です。

 

この「見える化」の過程においては、 社長自ら、

自社の沿革や取り組みを振り返りつつ、

自社の強み・価値の源泉を 「自ら整理」したうえで、

後継者等の関係者との「対話」を通じて認識を共有する ことが不可欠となります。

この認識の共有が、承継後の後継者の会社の経営に非常に役に立つことにもなります。 

 

会社の何を継がせるか想像できましたか?

 

最後までお読み頂き有難うございました。

また順次発信いたします。

 

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